れ組夏の合宿(その1)からのつづきです。
<合宿二日目:夜のビデオ上映会>
二日目の夜は、REMINさんによるビデオ上映が夕食後のリラックス・タイムにありました。そこではれスタホームページのREMINさんのブログで、「エマ・トンプソンの映画の中で一番素敵」と書かれているイギリス映画「ウィンター・ゲスト」を見ることが出来ました。真っ白な冬景色に包まれた、海辺の町のある一日の静かな物語です。特に事件が起こるわけでもなく、登場人物たちが過ごす一日が淡々と描かれます。母娘、男女、十代初めの少年、年を重ねた女友だち同士の、それぞれ二人一組が登場します。
登場人物はみな不器用で、迷いながら生きているようです。それぞれが心を開けなかったり悩みがあったりするのですが、最後はうっすらと希望が見えて来そうなことが暗示されて映画は終わります。ギクシャクしていたけれど、何かのきっかけで気持ちがふれ合い、それまで閉じこもっていた心が開けて、人とつながれる予感がするといった展開でしょうか。そのきっかけとなるのはドラマチックな事件や出来事ではなく、この映画では日常の何気ない人との関わりの中で起こります。そうした描き方がこの映画の特徴的なところだと思います。アメリカ映画ではこういう描き方はできないと思いました。この静かさがいいと思います。
見終わって、ひとは支え合って生きているんだ、ひとを信じて生きていく価値はあるのでは、いやきっとあるだろうと、人間に対する希望というか、そのような思いを持ちました。それと、実のところほんとはみんな不器用に生きているのだ、悩みがない人、迷わないで生きている人なんかいないよ、ということも言っているのかな?そう思うと気が楽になりますね。自分だけカッコ悪く不器用だと思って、それを一生懸命隠そうとしている自分が愚かに見えます。いろいろ考えさせられる、深くて、余韻のある映画です。もう一度見たらまた違う発見があるかもしれないと思いました。合宿が行われたのは真夏だったので、氷の張った海や雪がうっすらと積もった通りなど、画面に映し出される純白の冬景色が涼しげで、ビジュアル効果も満点でした。
主演のエマ・トンプソンはベリー・ショート・ヘアで、時折見せる表情が他の映画とはちがってダイクっぽく、そこもREMINさんには魅力的だったのではと思います。
<合宿三日目~最終日>
二日目の夜は、窓を開けて寝ると涼しい風がとても気持ち良く、この快適さは窓を開けても寝苦しい東京では決してあり得ないと思いました。翌日は合宿の最終日でしたが月曜日だったので仕事のある人もいたため、前夜宿泊した人は7人でした。そのうちの2人も朝食後帰路につき、残った5人で午前に分科会をしました。特にテーマを決めず話していたら、人生相談っぽくなってこれはこれでおもしろかったです。皆でランチをして目にまぶしい緑を見ながらのんびり午後を過ごした後、3時30分ごろに会館を出て帰路につきました。前日降った雷雨のせいで、都心に着いてからもこの日から少し気温が下がったのはありがたかったです。
<全体の感想>
れ組スタジオは去年の2月に事務所を閉じ、ネットと月一回の交流会に活動を縮小して、一年半近くが経っていました。事務所を閉鎖したばかりのときには、これかられスタがどうなって行くのか全く予測が付きませんでした。合宿の企画を立てたときも、すでにニュースレターの発行もなく、ネットだけの発信でどこまで仲間に受け止めてもらえるのか不安でもありました。参加してくれる人はいるのかなあと少し悲観的に考えてもいました。ところが参加者募集を始めてみると、れスタ旧会員の人たちや普段会わない人たちがたくさん参加を表明してくれて、大変うれしかったです。久しぶりの人たちにも会え、本当に楽しく、合宿は大成功でした。れスタの存在意義はあるのだなということを再確認できた気がしています。
また是非、こうした企画をこれからもやっていきたいです。少なくとも年に一度、理想では春秋の2回、できたらいいですね!今後もさまざまな形でレズビアンのネットワークを広げていきたいです! 😀