レインボーウィーク

ブログの更新が遅れてしまいました。やっと今日第二回目の書き込みをします。 😉

東京地方は5月に入って気持ちのいい日が続いています。日中は汗ばむ日もありますが、朝晩は涼しく快適です。一年で一番過ごしやすく、また新緑の美しさにも目を奪われます。

木漏れ日machifoto

「まちふぉと」より http://machi-photo.net/

ゴールデンウィーク中は「レインボーウィーク」と銘打って、都内でLGBT関連イベントがいくつか開催されました。私も4月28日夜に、都心の廃校を改築したモダンなアートスペースで行われたワークショップ、「LGBTの老後」に行ってきました。主催は、「グッド・エイジング・エールズ」というLGBTの老後を考える活動をしているNPOです。

実は私は今年の1月頃に、このNPOからLGBTとして老後をどう考えるかのインタヴューを受けました。その結果発表が今回あるというのも出かけた理由のひとつです。ワークショップには、れ組メンバーのいなほさんと交流会に来られているTさんが参加され、Tさんが申込みの労をとってくれました。

ワークショプでは初めに大学の教員というゲイ男性からLGBTの老後について、ヘテロと比較しての考察が発表されました。中でも、「これまで家族というセイフティネットがあると信じられていたヘテロが、例えば独居老人の増加や孤独死のように、家族間の変容等の社会的変化によって、もはや家族をセイフティネットとして頼れなくなっているのが現実である、その意味ではヘテロも家族を持たないLGBTと同じ状況になりつつあり、それがこれまでとは異なる現代社会の特徴である」との指摘は大変興味深いものでした。

次に、5~60代のゲイとレズビアン数人に老後についてインタヴューした結果の発表があり、それぞれの具体的な発言内容がスクリーンに映し出されました(私の分は今回準備が間に合わなかったということで発表はありませんでした)。このインタヴュー結果もなかなか興味深く、同じLGBTとはいえ、我彼のちがいがわかっておもしろく、示唆的でした。私が感じたのは、ゲイ男性は現パートナーや元カレも含めて個人的な関係の中で老後を過ごすことを指向しているように見えたこと。一方、私や少なくとも周囲のレズビアンは個人的関係より友だち関係の中で老後を過ごすことを考えている。その指向の違いはなぜ起こるのか、それはどこから来るのか。考えると非常におもしろいテーマだと思いました。

最後には参加者全員がグループに分かれて、老後を語る自由討論。これもとてもおもしろかった。参加者は80名程で部屋を二つ使い、1グループ10名前後に分かれ、皆初めて会う人ばかりの老若男女ミックスのグループ構成。日常的にあまり接触することのないゲイ男性や若い人とのディスカションは、私には新鮮な体験でした。ゲイの人とは普段ほとんど付き合いがないので、考え方、感じ方の共通点、相違点に「あぁそうなんだ」と感じ入りました。若い人の年金についての発言には、その世代が直面している現実の厳しさがひしひしと伝わって来て、やはりネット全盛時代とはいえ、人には直接触れないと実感としては分からない。人に直接接触する機会をできるだけ持つことがとても重要だと改めて感じさせられました。

Rainbow at Oregon Raceway Park by Curt Smith creativecommons.org/licenses/by/2.1/jp/

Rainbow at Oregon Raceway Park by Curt Smith creativecommons.org/licenses/by/2.1/jp/

すでに書いたように参加者は約80人でしたが、主催者側は30人も集まればいい方と思っていたらしく、補助椅子も出て大盛況の様子。このテーマへの関心が高いということなのかな?でも、シニアLGBTの参加は全体として少なかったように思います。また参加者の男女比も7対3位。これは主催団体がゲイ男性を中心としたNPOであるため、このような結果になったと思われます。

帰りには、ワークショップに来ていた初対面の若いレズビアンの方と一緒にカフェに寄り、Tさんも含めレズビアン4人でお茶を飲みながらそれぞれ今日のワークショプの感想など話し、とてもよかった。互いに打ち解けて気さくに話せ、こうした機会を介してつながれることはとてもうれしいです。帰路、レズビアンだけで若い人も含めて将来このテーマでワークショップをしたいねと言って別れました。 🙂

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レインボーウィーク への3件のフィードバック

  1. スノー・ベリー のコメント:

    笑夢さん、
    LGBTの老後を考えるワークショップはとてもよかったようですね。私はもうちょっと若い頃はレズビアンのコミュニティを作り、老後もお互いに助け合う関係を築きたいと考えていたこともありますが、今60代になって人生体験を通じて、もうそういうことは期待できないと思っています。人間関係はとても難しく、病気したり、年とって自分でいろんなことができなくなった場合、一番頼りになるのは何と言ってもパートナーだと思っています。 “ゲイ男性が現パートナーや元カレも含めて個人的な関係の中で老後を過ごすことを指向しているように見えた”“私や少なくとも周囲のレズビアンは個人的関係より友達関係の中で老後を過ごすことを考えている”とありますが、それは実現可能だと思いますか? 私は外国に住んでいるのでよけいこちらのレズビアンとの関係が希薄に感じられるのかも知れませんが、日本のコミュニティでは実現可能だと思いますか? ウーマンズ・ランドのような経済・生活を共にするコミュニティでのみ実現可能と私には思われますが如何でしょうか?

    • 笑夢 のコメント:

      スノー・ベリーさん

      コメントありがとうございます。
      私がイメージするのは、レズビアンのグループホームや、最近注目されているグループリビングと言われるものです。

      集合住宅で、独立した個人の部屋と住人がくつろげる共有スペースがあり、スタッフもレズビアンもしくはレズビアンフレンドリー。住人同士は必ずしも顔見知りや友だちでなくてもよいのかなと思っています。

      このような住まい方はこちらで最近注目されており、LGBTのものはまだないですが、他人同士が共同で住むこうした形式のものはすでに首都圏に複数あります。今年2月の交流会では、今回ワークショップに参加のTさんがこうした住まい方について詳しく紹介され、大変参考になりました。この形式の住まい方について運営や相談など、各種支援をする組織や企業もあります。それらを利用してレズビアンやLGBT専用のものを作るのもよいかな思っています。また今回ワークショプを主催したグッド・エイジング・エールズでもLGBTの老人ホームの構想があるようです。

      シニアの暮らし方で言えば、ひとり暮らしの増加、家族に頼らない価値観、かつてより自立志向の人は多くなっているなど、社会全体として家族以外の人と住むことへのニーズは確実に増えていると思います。男より長生きする女性はヘテロでも最後はひとりなので、そのニーズは男より多いと思う。

      外国に住んでいるということですが、移民としてでなく、もしその国の生まれだったら感じ方はちがうと思いますか?またもし日本に住んでいたら、今とはちがうイメージを持つでしょうか?

      またそちらでもLGBTの老人ホームについて議論はあると思いますが、それについてはどうですか?シングルのLGBTにニーズはあると思いますし、カップルでいてもシングルになった時にニーズは出てくると思いますが、どうでしょう?

    • 笑夢 のコメント:

      スノー・ベリーさんへの返信の訂正

      先ほどの三つ目の段落で、「LGBTのものはまだない」を「シニアLGBT専用のものはまだない」に訂正します。LGBTのみ、またはLGBTフレンドリーの共同住宅は都内に数軒あります。下の例をご覧ください。外観、室内、共有スペースなど写真多数。場所のイメージがつかめてわかりやすい。

      カラフルハウス 「Share Residence 阿佐ヶ谷」 
      http://www.hituji.jp/comret/tankentai/archives/18414 

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