5月14日(木)夕方、安倍内閣が、他の国を武力で守る「集団的自衛権」の行使容認を柱とする「安全保障関連法案」をついに閣議で決定、同15日に衆院に提出したというニュースに怒っている。14日夜、安倍首相は記者会見を開いたが、安保法案全体を「平和安全法制」と呼び、「ニッポンジンの幸せな暮らしを守る為に、安保法制を変えるのです」と言うのには、驚いた。(会見中、彼は日本を「ニッポン」、日本人を「ニッポンジン」と言っていた。)この人は「積極的平和主義」という言葉も良く使う。しかし実際やっていることと言ったら、「積極的に平和を推し進める」どころか「積極的な戦争参加&軍需産業の推進」を目ざしている。「平和」という言葉を自分に都合よく解釈して、ごまかして使わないで欲しい。
首相の発言(15分)の後、メディアの記者からの質問を受けたが(約15分、これって短すぎる!)、質問したのは司会者からの指名制で、最前列に座っていた大手の新聞社・テレビ局で、その質問の内容も危機感が感じられないものだった。そしてあらかじめどんな質問をするのか分かっていたかのように安倍首相は答えていた。その会見場には記者クラブに入っていない、フリーの記者たち、海外の記者たちがいて、手を挙げていたのに、彼らには発言の機会は与えられなかったという。
更に、わたしがぎょっとしたのは、翌15日(金)ほとんどすべての朝のテレビ番組(ワイドショーなど)でこのことを取り上げなかったということだ。テレビ局は一体どうなっているか?歴代政権が憲法で禁じられていると解釈してきた「集団的自衛権の行使容認」を内閣が閣議決定したというのに、何で取り上げないのか?14日朝、首相官邸前には、抗議集会で五百人が集まり「戦争法案反対」を訴え、昼には、銀座で八百人超えの女性たちがハートマークのプラカードや赤い傘を掲げ「戦争させない」と声を上げて歩いたという。(東京新聞2015/5/15)いろいろな圧力があると思うが、テレビ局には、このような抗議の声をどんどん報道して欲しい、と切に願う。